本物に共通するテーマ

アレンジャーとは、プロデューサーとは、今流行りの ”真のカヴァー” とは、
山下達郎というミュージシャンのフィルターを通せば得心するはずだ！
「歌は心で歌うもの」というよく歌手が口にする言葉は真実か？
「歌は世につれ、世は歌につれ」という言葉は果たして真実か？
音楽は ”政治” に勝るとか、音楽は ”宗教” 以上の存在だ、音楽は ”普遍的だ” とよく耳にするが、
「音楽なんて弱い」と断言した音楽家は、山下達郎だけである。
このパラドクシカルな真実は、本書、つまり、達郎の音楽観を理解すれば納得するはずだ！ 

福山雅治というミュージシャンが、おおっぴらには、口にはしてはいないが、
彼が理想とする人物は、恐らく、山下達郎であると断言できる！
彼が指向する音楽観は、まさに、山下達郎のそれにダブルからである。
歌手やミュージシャンを目指す若者は、
是非、本書、いや、山下達郎という音楽・ 人物を知るべし。
これが、本物のアーティストとなる ”手本〔規矩〕” である！

演歌歌手の坂本冬美が、今では寂れかけた ”フォーク” に息吹を入れている！
→ ビリーバンバンの歌をカバーした「まだキミに恋している」のヒット

山下達郎は、今、見捨てられている ”歌謡曲” に再度息吹を注ぎ込んでいる！
→ 映画「てぃだかんかん」やテレビドラマ「新参者」の主題歌へのチャレンジ

こうした流儀は、森進一がポップスに、小林旭がポップスに、
生気を吹き込んだ逆スタイルに似ている！

ジョン・レノンが「ロックとは、チャックベリーだ」と言った文脈で、
敢えて言わせてもらうならば、
日本では、「ポップスとは、山下達郎だ」と言ってもよい。
その真実は、桑田佳祐が一番認識している。本書でそれが得心するはずだ！

山下達郎を少しでも、山下達郎の音楽を少しでも、
山下達郎の ”凄さ・素晴らしさ” を少しでも知りたければ、
本書が入門的な存在となるはずです！